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前日の夜からの頭痛は朝も止まなかった 。それは慢性的な痛みではなく、だしぬけに針で刺されるような断片的な鈍痛だった。その痛みには何か規則的なシラブルがあるのではないかと思い、頭の中で痛みから痛みまでの時間を数えようとしたけれど、どう考えてもその針は気まぐれに落とされていた。また、首を動かすと痛みが起こりやすいように思えた。バイト先の開店準備の時にも唐突に針は落とされた。

バイト中、この前少し感じた懐かしの胸苦しさ、胸の辺りだけがプールの深い場所に沈み、相応の水圧を受けているような感覚。それはさらに深くまで沈んでいき、目の前の人間との間を不安や恐怖、眩暈や激しくなる心拍が遮るまでになった。オーダーをとるのもやっとだった。もう限界だと思った。店長に息も絶え絶えに事情を話して裏で休んだ。こういう状況になって誰にも心配されないというのは、一人の時にこうなったときと高速バスで苦しくなったときくらいのものだ。カラオケでこうなったときでさえ、店員さんが治るまで付き添ってくれたり、後にはココアをサービスしてくれたりした。忙しかったし、人がいなかったし、仕方のないことなのかな。そう思っておこう。でも、凄く寒い場所にいると思った。独りよりも寒い場所だ。震えが止まらなかったし、手は冷え切ったままだった。結局治りきらないまま仕事に戻った。

帰り際、僕の代わりにヘルプで入ることになった人が「明日一緒に頑張ろうな」と言ってくれた。

僕は嫌われるには足りなさすぎる。耐えられない。早く世界を作らなければ。僕だけの、とびっきり美しい世界を。尚且つできればみんな僕のことを愛してほしいしそれを言葉や行動で仄めかしてほしい。そうなったように思い込むことにする。自由に生きられる世界に行くんだ。

知識が足りないから漠然としている部分は確かにある。とにかくやろう。やりながら勉強しよう。